十社大神の鎮座地である富山県の旧小杉町・三ケ地域は、江戸時代から左官の町として知られています。
十社大神の近くに拠点を構えた小杉左官たちは、国内外で漆喰を用いた仕事を幅広く手掛け、活躍しました。
また、仕事の少ない冬場には、鏝絵の絵馬などを製作してその腕を磨き、優れた作品を地元の神社に奉納しました。
十社大神には、小杉左官を代表する竹内勘吉・竹内源造父子などの素晴らしい鏝絵作品があります。
刻印によると、竹内勘吉と砂原清吉の合作。
中国の古い書物に書かれた逸話を描いた絵馬で、大舜の孝行ぶりに感動して像の大群が農作業を手伝ったという。
精巧な造りで鏝絵で、描かれている武内宿禰は、大和朝廷初期に活躍した記紀伝承上の人物。
抱いているのは、仲哀天皇と神功皇后の御子でのちの応神天皇。
中国の十八史略に描かれている一場面を描いたもの。
小杉左官の数ある鏝絵の中でも、鏝さばきが見事で、とりわけタッチが美しい作品。
周の文王が落ちぶれた呂尚(のちに太公望と呼ばれる)と出会い、礼を尽くして軍師として迎える場面。
神功皇后が子を身ごもりながら朝鮮半島に遠征し、軍を率いる様子を描く。
このとき、身ごもっていた御子はのちの応神天皇で、過酷な状況下でも流産することなく無事に帰って安産をなしたことから、安産の神としてもあがめられる。
神功皇后は気長足姫命ともいわれ、十社大神の御祭神の一柱でもある。
明治34(1901)年作で、竹内源造の父・勘吉の銘がある。
十社大神のシンボルである白黒神馬一対をモチーフにしたもので、縦1メートル・横1・8メートルの大きな作品。
鏝絵作家として活躍した竹内源造が昭和15年(1940年)に製作した橋。
竹内源造の最晩年の作品。モルタル製で、小杉左官らしい精緻な仕事。
伊勢神宮・内宮の五十鈴川にかかる宇治橋に似ている。
じゅっしゃ おおかみ
十社大神
【鎮座地】
富山県 射水市 三ケ(高寺)1753
【宮司宅・社務所】
富山県 射水市 三ケ(高寺)870
電話 0766-55-0059
FAX 0766-55-5273